本来なら葬儀1日目には「お通夜」2日目には「告別式」を行うのが一般的ですが、家族葬だと通夜をやらない方もいらっしゃいます。
では、なぜ通夜をやらないのか?また、通夜なしのメリットやデメリットは何なのか?
今回はこのような疑問について詳しくご紹介いたします。
また、告別式のみ行う家族葬の費用や流れの詳細も書きましたので参考にしてみてください。
目次
家族葬はお通夜をしない葬儀でも構わない
家族葬の場合だと必ずしもお通夜をやる必要はありません。
本来のお通夜とは遺族や親戚だけが集まり、一般の方は翌日の告別式に参列されていました。
しかし、告別式は午前中に行われることが多いため一般の方の参列が難しいという理由から、仕事帰りにも参列しやすいお通夜に招くのが通常となっています。
家族葬は遺族や親戚だけで行うお葬式ですので、しきたりを重視しないのであればお通夜なしのお葬式にしても問題ありません。
通夜をやらない葬儀の割合は?
鎌倉新書の「第3回お葬式に関する全国調査」では、お通夜をやらない一日葬の割合が4.4%となっています。
2日間行う家族葬だと37.9%、直葬が4.9%、一般葬が52.8%と、一日葬の割合はそこまで多くありません。
利用者の割合が少ないからといって一日葬がダメと言うわけではなく、お通夜をやらないメリットやデメリットを知ってから検討してみてください。
通夜なし家族葬のメリット
①体力的な負担が減る
お通夜をやらないことでお葬式の準備が少なくなり参列者の対応もしなくていいので、体力的な負担を減らすことができます。
また、やることが少ないので故人を偲ぶ時間が多く取れるのもメリットです。
②参列者の負担も減る
お通夜もある家族葬だと参列者の方は基本的に2日間来ていただくことになります。
遠方から来られる方だと宿泊しなければなりませんが、一日だけの葬儀なら日帰りにすることも可能です。
また、高齢の方だと2日間の葬儀は体力的な負担もかかるため、あえてお通夜なしの葬儀にする方もいらっしゃいます。
※参列者の方の宿泊費は遺族の方で負担する場合があります。遺族の考えによって宿泊費を出したりするのですが、お通夜をやらなければ費用の負担もなくなります。
③費用を抑える事ができる
お通夜をしないことで「通夜振る舞いの食事がいらない」「1日分の式場利用料が減る」「人件費が減る」「僧侶のお布施が安くなる場合がある」など、費用を抑えられるメリットがあります。
ただし、葬儀社によっては前日から祭壇などの準備が必要なため2日分の式場利用料と人件費が必要だったり、僧侶によってはお布施の金額が変わらない場合もあります。
大幅に費用を安くできる場合もあれば、安くならない場合もあることを知っておいてください。
通夜なし家族葬のデメリット
①葬儀後の弔問が増える可能性がある
葬儀の日程を1日だけすると、予定が合わず参列できない親族の方もいらっしゃいます。
その場合は、葬儀後に自宅への弔問が増えることになるので対応が大変かもしれません。
②菩提寺や親族の理解が得られない場合がある
儀式を省略した一日葬を許さない方もいらっしゃいます。しきたりを重視する親戚がいる場合は、一度確認してから葬儀内容を決めてみてください。
また、菩提寺(お墓のあるお寺)から僧侶を手配する場合も、僧侶が供養をお断りする場合があります。※約2割くらいのお寺はお通夜をやらない葬儀をお断りするようです。
入るお墓があるならお通夜をやらない葬儀について相談しておきましょう。
通夜なし家族葬の費用目安
お通夜なしの「一日葬」の相場は63万9773円というデータが出ています↓
一般葬 | 145万9091円 |
家族葬 | 91万1544円 |
一日葬 | 63万9773円 |
直葬 | 20万~40万 |
上記の金額には食事や返礼品・僧侶のお布施は含まれていないので参列者20人を想定すると、30万~40万くらいは追加で掛かるでしょう↓
- 食事1人5000円×20人=10万
- 返礼品(1人1000円)×20人=2万
- 僧侶のお布施:20万~30万くらい
そうなると大体100万円くらいの費用が掛かりそうですが、安い葬儀社を利用したりすれば50万前後にすることもできます。
葬儀費用を安くする方法についてはこちらの記事をご覧ください。
通夜をやらない家族葬(告別式のみ)の流れ
お通夜なしの家族葬だと、亡くなってから葬儀が終わるまではこのような流れとなります↓
- 亡くなったら葬儀社に連絡
- 故人を自宅か葬儀社へ安置する
- 葬儀社と打ち合わせ
- 参列者へ日程の連絡
- 告別式を開始
- 火葬場で火葬する
- 精進落としを食べて葬儀終了
告別式の流れ
告別式では僧侶が読経を上げ、故人の供養を行います。
大体午前中より告別式が開始され僧侶の読経で儀式を行い、続けて初七日の法要も行ってしまうことが多いです。
儀式が終わったら副葬品(想い出の品)を棺に納め火葬場へと移動します。
火葬場では僧侶が簡単な読経を行ったあと故人を火葬、遺骨を持って葬儀社へ戻ったら精進落としを食べてお葬式が終了となります。
告別式が大体午前10時ごろから始まり、お葬式が終わるのが大体15時前後くらいです。
通夜をやらない場合は何をするの?
お通夜にあたる日は本来だと告別式の前日ですが、通夜をやらないなら遺族は自由に過ごすことができます。
故人が好きだった物を食べたり、故人に付き添い遺族で偲びあうなど過ごし方は様々です。
本来のお通夜だとロウソクや線香を告別式まで絶やさず故人を弔うのが習慣でしたが、葬儀場に安置すると付き添いができなかったりするので、そのような習慣もやらなくなることが多くなってきました。
本来のお通夜を過ごしたい場合は、葬儀社に相談しておく事をおすすめします。
亡くなってから葬儀までの日数はどれくらい?
亡くなってから葬儀が終わるまでの日数は、火葬場の空き状況や僧侶の都合などを合わせるので、大体4日前後は掛かると思います。
火葬場が混雑している都心では葬儀までに1週間以上かかることもあり、その時にならないと状況は分かりません。
「告別式もなし」にするとどんな家族葬になる?
お通夜も告別式も行わないお葬式を直葬(火葬式)と言います。
火葬のみ行うシンプルなお葬式方法で全国の平均利用率が4.9%、都心だと利用者が多く「エンディングデータバンク」の調査だと20.6%と高い割合となっています。
告別式をやらないメリット
告別式なしにするメリットも通夜をやらないメリットと同じですが、さらに葬儀費用が安くなるのが特徴です。
通夜なしの一日葬だと40万~100万が相場でしたが、直葬だと20万~40万くらいに抑えることができます。
また、葬儀の準備や葬儀そのものを行わないので、体力的な負担もほとんどありません。
告別式をやらないデメリット
儀式を一切行わないので親族の反対が強いかもしれません。
また、故人とお別れする時間も極端に短くなるので注意してください。
葬儀社に安置してしまうと故人と火葬日まで会えない可能性があり、しっかりお別れできず後悔される方もいらっしゃいます。
あとは、菩提寺から僧侶をお呼びする場合、8割くらいは葬儀の供養をお断りされるのでお墓に入れない可能性が出てきます。
通夜や告別式をやらない家族葬だと香典はどうなる?
香典については遺族や故人の遺志を尊重し、辞退するか頂くかを決めていきます。
ですので、「通夜なし」「告別式なし」だからと言って香典がなくなるわけではありません。
香典を頂かないと全ての葬儀費用をお支払いしないといけないので、かえって出費が増える場合もあります。
直葬ならそこまで金額は高くならないですが、通夜を行わない一日葬だと支払金額の負担が大きい場合もあるので注意してください。
香典の辞退については葬儀社も相談に載ってくるので、どうしたらいいか分からない時はアドバイスをもらうようにしましょう。
また、香典を辞退したとしても参列者にお渡しする返礼品は必要になります。
返礼品は参列してくださったお礼としてお渡しするものですので香典を辞退しても用意してください。
まとめ
お通夜をやらない家族葬についてご説明しましたが、メリットやデメリットをよく考えた上で葬儀内容を決めてみてください。
【メリット】
- 体力的な負担が減る
- 参列者の負担も減る
- 費用を抑える事ができる
【デメリット】
- 葬儀後の弔問が増える可能性がある
- 菩提寺や親族の理解が得られない場合がある
特に親戚の中に「しきたり」を重視される方がいる場合は、後でトラブルになる可能性も高いので、事前に確認しておくようにしましょう。