「家族葬」という言葉を聞いたことはあるけど、どんな葬儀なのかイマイチ分からない方も多いと思います。
家族葬とは親しい人達だけを集め、主に遺族と親戚だけで行うことが多いお葬式のことを言いますが、仲の良かった友人などお呼びする事も可能で、参列者の選定は遺族や故人の遺志を尊重し決めていきます。
そんな家族葬は普通のお葬式と比べどんなメリットやデメリットがあるのか?また、注意したいことはあるのか?
他にも、家族葬が増加してる理由や割合など、どのような方に選ばれている葬儀なのかについて詳しくまとめました。
目次
家族葬のメリット
①故人とゆっくり過ごせる
親しい人達だけで行う家族葬は参列者の人数が20人前後と少なくなるため、会葬者の挨拶や対応に追われず故人とゆっくりお別れすることができます。
一般葬では食事ができないほど忙しくなることもあり、故人を気にする余裕もなく時間が過ぎていくことが多いですが、家族葬なら故人を想いながら最後の時間を過ごすことができます。
②葬儀の準備が少なく負担が少ない
一般的なお葬式に比べると家族葬の準備は少なくなることが多いです。
家族葬なら訃報の連絡が少ない、料理の注文数に悩む必要がない、供花の順番や名前の確認も簡単、香典返しが少ないなど、やる事や考えることが減るので精神的にも体力的にも負担が軽くなります。
③葬儀形式を自由にアレンジしやすい
参列者が親しい人達だけですので、形式的な葬儀をやらず自由にアレンジできるのも家族葬のメリットです。
故人の好きだった物を食べる・好きな音楽を流す・好きなお花を飾るなど、しきたりを気にせず葬儀内容を決めることができます。
また、お通夜をやらない一日葬や火葬のみ行う直葬など簡素な葬儀をされる方もいらっしゃいます。
簡素な葬儀にすることで「費用が安くなる」「1日だけの葬儀なら高齢の参列者の負担が減る」「遠方から来られる方の宿泊費の負担が減る」など、様々なメリットがあります。
④葬儀費用を抑えやすい
家族葬は参列者が少なくなるので、食事や返礼品に掛かる費用が一般葬に比べ少なくなります。
また、一般葬だとお通夜の参列者の数を把握するのが難しく、注文した料理が余ってしまうことも多いですが、家族葬は参列者の数が分かっているので費用に無駄がでません。
他にも、一般葬だと祭壇や供花を豪華にするためオプションを付ける人もいらっしゃいますが、家族葬なら見栄えを気にしなければオプション等の余計な費用も抑えられます。
家族葬のデメリット
①親戚の理解を得られないことがある
「しきたり」を重視する親戚がいる場合、家族葬にする理解を得られないかもしれません。
親戚の意見を無視して葬儀を行えばその後のお付き合いに支障がでるので、了解を得てから家族葬を行いましょう。
②急な参列の対応が大変
家族葬だと知らずに参列される方、家族葬だと知っていたがどうしても最後にお別れがしたい方などが突然参列されることがあります。
せっかく来ていただいたのに追い返すのは失礼ですのでしっかり対応しなければなりませんが、これが何十人となってしまうと大変です。
料理を急遽注文したり参列者の対応など、予期せぬ事態に戸惑い慌ただしいお葬式になってしまいます。
そうならないためにも参列者以外の方には、訃報の連絡を葬儀後にするようにしてください。
③葬儀後の弔問が多くなることがある
家族葬だとお葬式に参列できなかった方の弔問が多くなります。
弔問される方はバラバラなので、葬儀が終わってからの一定期間は自由に外出することが難しくなるかもしれません。
家族葬にして失敗だった理由として「葬儀後の弔問が大変」と言う声が多いので、故人の交友関係が多なら一般葬にすることをおすすめします。
④香典を辞退すると一般葬より出費が多くなる場合も
「家族葬は香典を辞退するもの」と思われている方も多いですが、香典を辞退するかしないかは遺族の自由です。
全ての香典を辞退してしまうと一般葬よりも出費が多くなることもあるので、費用の安さで家族葬を検討しているなら注意してください。
増加する家族葬!利用者の割合はどれくらい?
「鎌倉新書が調査したデータ」では、2017年の家族葬の割合が約38%となっています。
2017年の葬儀形式の割合 (全国1999名の回答) |
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一般葬 | 53% |
家族葬 | 38% |
一日葬 | 4% |
直葬・火葬式 | 5% |
一日葬や直葬(火葬式)も親しい人達だけで行うお葬式が多いので、約半数近くが家族葬を選ばれています。
2015年のデータと比べると
- 家族葬は31%→38%と増加
- 一般葬は59%→53%へ減少
ただ、地域によっても利用の割合がことなり、都心の方が家族葬を選択される方が多くなっています↓
2017年の葬儀形式の割合 (東京の場合) |
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一般葬 | 43% |
家族葬 | 42% |
一日葬 | 6% |
直葬・火葬式 | 9% |
一日葬や直葬(火葬式)も含めると、東京での家族葬の割合は半数以上です。
逆に「しきたり」を重んじる地域では家族葬の割合も少ないので、親族の意見も聞きながら葬儀内容を決めた方がいいかもしれません。
家族葬が選ばれるのはなぜ?人気の理由は?
家族葬が選ばれるのは下記3つが主な理由と言われています↓
- 高齢に伴い参列者が減った
- 葬儀にお金を掛けたくない
- 家族だけで見送ってほしい
高齢化社会により知人や友人の数が減り、社会的な付き合いもなくなってきたことが家族葬を選ばれている主な理由ですが、介護や看護にお金が掛かってしまい高額な葬儀費用が出せなかったり、故人が小規模な葬儀を望んでいることからも家族葬の需要が年々増えています。
日本消費者協会が調査した第10回の葬儀アンケートでは、自分自身の望ましい葬儀の形としてこのような調査データが出ています↓
- 費用を掛けないでほしい59.1%
- 家族だけで見送ってほしい51.1%
- しきたりにしたがってほしい10.8%
- 立派な葬儀にしてほしい2%
昔ほど「しきたり」も重視されなくなり、家族葬でも自由にアレンジした葬儀が今後増えると予想されています。
家族葬を失敗しないための注意ポイント
①誰をお呼びするか慎重に決める
家族葬にお呼びしなかった親戚から「なぜ呼んでくれなかったんだ」とお叱りを受けることがあります。
家族葬だから「家族だけ」と勘違いされる方もいますが、基本的には親戚もお呼びするのが一般的です。
お呼びしなかった方と後でトラブルにならないよう、誰をお呼びする方は慎重に選んでください。
参列者の決め方は葬儀社に相談することもできますし、こちらの記事でも詳しく説明しています↓
②家族葬の費用について把握しておく
一般葬に比べ家族葬の方が費用は安いですが、それでもお通夜と告別式をする家族葬だと80万~150万くらい必要です。
安い謳い文句で家族葬プランを宣伝している葬儀社もありますが、表示されている料金だけでお葬式することは100%無理ですので、事前に見積りを取り費用の確認をしておきましょう。
家族葬の平均費用については別記事で詳しく説明しています。実際の家族葬の見積り費用も載せているので、どの項目にいくら掛かっているのか参考にしてみてください。
③香典を受けるか辞退するか決めておく
先ほどもお話しましたが香典を辞退してしまうと一般葬より出費が多くなる事もあります。
家族葬だからといって香典を辞退する決まりはないので、金銭的余裕がない場合は香典を受け取ることを検討してみてください。
香典を受け取るかについてはこちらの記事で詳しく説明しています↓
また、香典を辞退した場合と受け取った場合の費用について、簡単なシュミレーションをしたこちらの記事も参考にしてみてください↓
④葬儀社を探しておく
「亡くなる前から葬儀社を探すなんて不謹慎」と言う人もいますが、葬儀は事前の準備がとても大切です。
亡くなってから葬儀内容を決めていくと、冷静な判断ができず納得いくお葬式にできない可能性があります。また、比較検討している時間もないので費用も高額になりがちです。
事前に葬儀内容を決めておけば万が一の時に慌てることもないですし、余計なことを考えず故人を想いながら最後の時間を過ごすことができます。
葬儀の相談は3社くらいを目安に行うこと
葬儀スタッフの対応がしっかりしているかの確認と、費用について高額な所を避けるためにも複数の見積りを比較してから選びましょう。
葬儀費用には定価がないため、価格設定は葬儀社が独自に決めています。
同じ家族葬でも100万円の差が出てしまう事もあるので、費用について心配な方はできるだけ多くの見積りを比較してみてください。
複数の見積りを取る際に「葬儀の一括見積サイト」をうまく活用すると短時間で多くの葬儀社を比較することができます。
「葬儀の一括見積サイト」を利用すれば1回の入力や電話相談で3社くらいの見積りを送ってくれますし、葬儀の専門家が中立的な立場でアドバイスもしてくれます。
24時間電話相談可能な一括見積サイトもあるので、仕事で忙しい方でも利用可能です。
利用者が多く運営母体が大きい「葬儀の一括見積サイト」はこちらの記事でご紹介しています↓
まとめ:こんな人に家族葬はおすすめ
- 故人と最後にゆっくり過ごしたい
- 故人が高齢で社会的つながりが少ない
- 葬儀費用を抑えたい
親族に反対する人がいなく故人の交友関係も少ないなら家族葬はおすすめです。
やり方によっては葬儀費用も安く抑えられるので、葬儀社に予算を伝えどんな家族葬ができるか相談してみてください。