家族葬を行うにあたり気になるのは費用だと思います。
ヤフー知恵袋でも家族葬の費用について心配されている方がこんな質問をされていました。
家族葬(知人も誰も呼ばない)だと、費用はいくらほどが相場ですか?
葬儀場であげた友人が200万かかった。って言っていたので、心配です。参考:ヤフー知恵袋
親戚のお葬式で費用が200万以上掛かったそうです。家族葬で、参列者も30人程度。身内+参列者で50人以下…らしいです。
参考:ヤフー知恵袋
家族葬なのに200万も掛かるの?と思うかもしれませんが、それくらい掛かってしまう事も少なくありません。
「家族葬だから安い」と思ってる方も多いですが、やり方次第では一般葬より高い場合もあります。
では、なぜ家族葬が安いと言われているのか?家族葬が高くなるケースとはどんな場合なのか?について詳しくご説明いたします。
目次
家族葬でも費用が高い場合あり!いったいなぜ?
親しい人達だけで行うお葬式の形式を家族葬と呼びますが、やり方によって費用が高くなったり安くなったりします。
そんな家族葬の葬儀スタイルは大きく分けて3つあります↓
- お通夜と告別式を行う一般的な葬儀を親しい人達だけで行う家族葬。
- お通夜を省き告別式だけ行う「一日葬」
- お通夜と告別式をやらない火葬のみ行う「直葬(火葬式)」
どれも親しい人達だけで行えば家族葬になるのですが、葬儀の規模が違うので費用も変わってきます。
①お通夜と告別式を行う家族葬だと費用も高い
お通夜と告別式を行う家族葬だと、基本的には一般葬と葬儀内容は全く一緒です。
家族葬だと参列者の数が少なくなるので食事や返礼品の費用が安くなりますが、それ以外に掛かる葬儀一式の費用や僧侶のお布施については一般葬とほぼ同じ金額になることが多いです。
お通夜と告別式を行う家族葬の相場は80万~150万くらいですが、高いと200万以上掛かることもあります。
家族葬の相場についてはこちらの記事で詳しく説明していますので良ければ参考にご覧ください↓
②お通夜を省き告別式だけ行う「一日葬」の費用
家族葬の葬儀スタイルを「一日葬」にした場合だと40万~100万くらいが大体の相場です。
1日分の式場代や通夜振る舞いの料理・運営スタッフの人件費などが削減できるので、その分費用も安くなります。
ただし、利用する葬儀社が高かったり葬儀内容をアレンジすると簡単に100万円を超えるので注意してください。
③火葬のみを行う「直葬(火葬式)」の費用
「直葬(火葬式)」はお葬式の中でも1番安い葬儀方法で、必要な費用が搬送費・安置費用・火葬料金・火葬手続きくらいなので、20万~40万くらいに抑えることができます。
葬儀社の価格設定や住んでる地域の火葬料金によって費用が上下しますが、15万前後で直葬(火葬式)できる場合もあります。
【注意】家族葬の費用を安くするなら一日葬や直葬がおすすめだが
葬儀内容が簡素になるほど費用も安くなりますが、2つ注意したい点があります。
①簡素な葬儀は親族に反対される場合がある
しきたりを重んじる親戚がいる場合、一日葬や直葬を反対される場合があります
葬儀内容を簡素にするなら親戚の了解も得てからにすることをおすすめします。
②菩提寺がある場合は僧侶の了解を得ること
僧侶によっては一日葬や直葬などの簡素化された葬儀の供養をお断りしている場合があります。
菩提寺(お墓のあるお寺)の僧侶を呼ばずお葬式するとお墓に入れてもらえない場合もあるので、事前に確認することを忘れないでください。
100万円掛かる家族葬とは?実際の見積り内容を紹介
お通夜と告別式を行う家族葬だと80万~150万くらいの費用が掛かりますが、何にお金が掛かっているのか気になる方も多いと思います。
そこで、実際に資料請求した家族葬の見積書がありますので、その内容をご紹介いたします。
今から紹介する見積りは下記条件で作成してもらいました↓
- お通夜と告別式を行う
- 通夜振る舞いと精進落としを用意してもらう
- 参列者の数はお通夜20名・告別式10名
- 葬儀社に僧侶を手配してもらう
こちらが実際の見積書になります↓
-クリックで大きく見れます-
総額がちょうど100万円の見積りになります。
葬儀費用は「葬儀一式の費用」「飲食や返礼品の費用」「僧侶のお布施」の3つを合わせて総額が出ます。
見積りのそれぞれの費用はこのようになりました↓
葬儀一式の費用 | 71万6130円 |
飲食や返礼品の費用 | 12万7872円 |
僧侶へのお布施 | 16万 |
総額 | 100万4002円 |
この見積り金額が高いのか?安いのか?よく分からないと思いますが、相場からすると良心的な価格です。
では、それぞれの項目について一般的な相場や注意点も踏まえながらご説明いたします。
葬儀一式の費用
葬儀一式の費用とは「祭壇・供花・棺・骨壺・式場利用料・ドライアイス・搬送費・人件費・安置施設利用料・火葬料金・焼香用具・役所手続き・受付用品・死化粧・自宅飾り・マイクロバス」などになります。
葬儀一式の費用は総額の50%~80%を占めるメインの項目です。この費用は参列者が上下してもほとんど金額が変わりません。
では、金額のメインとなる項目について1つ1つご説明していきます。
祭壇の費用
祭壇の費用は10万前後が多いですが、アレンジを加えるだけで何十万と費用が高くなる項目です。また、元々の祭壇価格が高い葬儀社もあり、祭壇で30万~といった葬儀社もあります。
供花の費用
供花とは祭壇の横などに飾るお花のことです。お花の量を増やすと豪華なお葬式になりますが、それなりの見栄えにするだけで数十万は必要です。
棺の費用
棺の費用は大体5万~10万くらいが多いです。ただし、棺のグレードを上げると20万以上する物もあります。
骨壺の費用
骨壺の費用は1万~3万くらいが多いです。グレードを上げればもっと高い物も用意されています。
式場利用料
葬儀会場を使う料金ですが安い所だと5万円、高いと20万以上掛かる式場もあります。
式場が安い所だと火葬場まで遠く移動のためにマイクロバスが必要だったり、食事の場所が違ったり不便な場合があります。
高い式場だと葬儀用に作られている所が多いので、その場で食事ができたり遺族が泊まれる部屋が用意されていたりします。
また、式場と火葬場がセットになっている所もあり移動の負担がなく便利ですが、その分価格も高めの所が多いです。
マイクロバス
葬儀場から火葬場まで参列者の移動のために使います。少人数ならタクシーや自家用車でもいいですが、人数が多いとマイクロバスを利用した方が便利です。
1台あたり4万前後が相場になります。
ドライアイスや安置施設利用料
ご遺体の腐敗を防ぐためにドライアイスが必要になります。また、安置施設を利用する場合も費用が掛かる所がほとんどです。
この費用は1日毎に料金が掛かる項目なので、実際に葬儀をしないといくらになるのかは分かりません。ですので、見積りには1日分しか記載されていないことが多いです。
相場は1日に付き1万円前後。
搬送費
ご遺体を搬送するための費用になります。亡くなった場所から安置場所まで、安置場所から火葬場までと最低でも2回以上の移動が必要です。
搬送費は移動した分を請求する所や10kmまではいくらと決めている所など様々です。
大体ですが、1回の移動で2万前後くらいが目安となります。
人件費
司会進行や葬儀のアドバイス、運営スタッフ、配膳スタッフなど色々と人件費が掛かります。どういった人件費が掛かるかは葬儀社によりますが、1人に付き1万~2万くらいが相場です。
火葬料金
火葬料金は住んでる地域によって違います。例えば東京だと民間が運営する火葬場がほとんどなので、6万くらいかかる所が多いです。
また、火葬場で控室を利用する場合に料金が必要な所もあります。
公営の火葬場が利用できる場合は、無料の所や数千円の所もありますので、詳しくは葬儀社の方に確認してください。
死化粧
死化粧とは開いてしまった目や口をふさいだり顔に薄く化粧をしたりする料金です。死化粧の相場は5万~10万くらいになります。
他にも遺体を湯でふき清める「湯かん」や、ご遺体の長期保存ができる「エンバーミング」を行うのにも費用が掛かります。※湯かん5万~、エンバーミング15万~。
僧侶のお布施
僧侶のお布施とは、読経や戒名をつけてもらったお礼としてお渡しするお金です。
参列者が多くても少なくても金額は変わらず、全国の平均費用は40万前後と言われています。
菩提寺(お付き合いしてるお寺)だとお布施の費用が高いことが多く、100万円のお布施が必要な僧侶もいます。
菩提寺がない場合だと葬儀社から手配することが多いですが、その場合のお布施は20万~30万くらいが相場です。
また、最近だと菩提寺がない方のためにできた「僧侶派遣サービス」を利用する方も増えており、一般的なお布施より安い金額で供養してもらえます。
- 2日間のお葬式:16万前後
- 一日葬:10万前後
- 直葬:5万前後
僧侶派遣サービスについてはこちらの記事で詳しく説明しています↓
僧侶派遣サービスだと読経の回数によって金額が変わりますが、菩提寺から僧侶を手配する場合はお寺の方に確認してください。
また、菩提寺から僧侶を手配する場合だと、一日葬や直葬の葬儀をお断りしている場合があります。宗教的儀式を省いた葬儀だと供養してもらえないこともあるので、事前に確認しておいてください。
食事や返礼品の費用
食事や返礼品の費用とは「お通夜にお出しする通夜振る舞いの料理・告別式にお出しする精進落としの料理・飲み物代・参列者に渡すお礼の品(返礼品)」などになります。
食事や返礼品などの費用は総額の10%~30%の割合を占めており、参列者の数が変われば費用も上下しますが、総額からすると大して金額に差は出ません。
では、それぞれに掛かる費用について説明いたします。
お通夜に出す料理「通夜振る舞い」の費用
お通夜に来ていただいた方に振舞う料理を「通夜振る舞い」と言います。
一般葬だと参列者の数が把握できないので余分に注文し費用が高くなってしまう事もありますが、家族葬だと参列者の数が分かっているので余計な費用も掛かりません。
通夜振る舞いの相場は1人に付き5000円くらいが相場になります。
告別式に出す料理「精進落とし」の費用
火葬が終わった後に食事する料理を「精進落とし」と言います。
精進落としは決まった人数分を用意するので、一般葬でも家族葬でも余分に注文する必要がありません。
精進落としの相場は1人に付き5000円くらいが相場になります。
返礼品の費用
参列して頂いた方にお礼の品としてお渡しするのが「返礼品」になります。
返礼品の金額は500円くらいから用意してる葬儀社が多いですが、ご自身で用意しても構いません。
葬儀社だとストックがあるので、急に人数が変わっても対応できます。
一般葬より家族葬の費用が高いケースもあるので注意
基本的には一般葬よりも家族葬の方が葬儀費用は安くなりますが、出費を比較すると家族葬の方が高くなってしまう場合があります。
その理由は、香典を辞退することで全部の費用を負担しなければならないためです。
香典を頂いた場合、半分から1/3は香典返しとしてお返しをしなければなりませんが、いくらかは葬儀費用の負担を減らしてくれます。
「一般葬」と「香典を貰わない家族葬」を簡単に比較した例をご紹介しますのでご覧ください。
下記の葬儀内容はお通夜と告別式を行った場合の金額例になります↓
30人の家族葬 | 60人の一般葬 | |
葬儀一式の費用 | 80万 (基本金額は変わらない) |
|
僧侶のお布施 | 30万 (基本金額は変わらない) |
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食事の費用 (1人5000円で計算) |
15万 | 30万 |
頂いた香典 | なし | 60万 |
香典返しの金額 | – | -30万 |
出費 | 125万 | 110万 |
大雑把な比較ですがお通夜と告別式を行う「一般葬」と「香典を貰わない家族葬」を比較すると上記のような金額になります。
実際は家族葬の方が「葬儀一式の費用」は多少安くなるので、総額は同じくらいになるかもしれません。
「家族葬=費用が安い」と思っていても香典を貰わないと一般葬より高くなる場合があるので、香典の辞退についてはよく考えてからにしましょう。
全ての香典を辞退するのではなく、参列者からの香典は頂くようにするという方法もあります。
香典辞退については葬儀社も相談に載ってくれますし、下記の記事でも詳しく説明しているので参考にしてみてください。
家族葬で200万掛かる場合とは?注意したい2つの事
文頭で紹介しましたが、家族葬で200万掛かってしまったと言う口コミがヤフー知恵袋にありました。
親戚のお葬式で費用が200万以上掛かったそうです。家族葬で、参列者も30人程度。身内+参列者で50人以下…らしいです。
参考:ヤフー知恵袋
参列者が30人程度なのに家族葬で200万はちょっと高いですが、実際にこれくらい掛かってしまう事もあります。
では、どのようにすれば費用を抑えられるのかについて基本的なことを説明いたします。
①グレードアップの誘いに注意すること
葬儀社と相談していると必ずグレードアップの提案はされると思います。
「豪華にした方が故人様も喜ばれますよ」「皆さんは大体このオプションを付けています」などのお話しがあるかもしれませんが、グレードアップすると何十万と費用が高くなるので注意してください。
特に祭壇と供花に関しては金額が高くなる要因の1つなので、豪華な葬儀を希望しない限りグレードアップは全てお断りしましょう。
②価格設定が高い葬儀社に注意
葬儀費用には定価がないので、価格は葬儀社が独自に決めています。
祭壇が5万の所もあれば30万する葬儀社もあるので、なるべく安い葬儀社に依頼することが費用を抑えるポイントになります。
費用が高い葬儀社の特徴はよく広告を出している所で、TVCMなど行ってる葬儀社は高い傾向にあります。
家族葬を安くするなら一日葬や直葬などを検討する
お通夜と告別式がある家族葬だと、どうしても80万~150万くらいの金額は必要になってきます。
価格が高い葬儀社だと200万を超えてしまう事もあるので、費用を抑えるなら一日葬や直葬などの簡素な葬儀を検討してみてください。
- 普通の家族葬:80万~150万
- 一日葬:40万~100万
- 直葬:20万~40万
お通夜と告別式がある家族葬の費用を安くするには?
一般的な家族葬の費用を安くしたいなら「複数の葬儀社を比較」したり「格安葬儀社を利用」することを検討してみてください。
先ほども説明しましたが葬儀費用に定価はないので、価格は葬儀社が自由に設定しています。
できるだけ安い葬儀社を見つけるには「見積りを取って比較する」ことが大切なので、最低でも3社は比較してから葬儀社を選ぶようにしましょう。
できるだけ多くの見積りを比較した方が安い葬儀社が見つかりやすいので、「葬儀一括見積りサイト」も活用し沢山の見積りを取ってみてください。
「葬儀一括見積りサイト」を使うと、1回の資料請求で複数の見積りを取ることができます。
大手の見積りサイトを利用すれは厳選した優良葬儀社を紹介してくれるので、うまく活用したくさんの見積りを取ってみてください。
大手の一括見積りサイトについては、こちらの記事で詳しく説明しています↓
あとは、格安葬儀社を利用すると葬儀代も安く抑えられます。
格安葬儀社は「葬儀一式の費用」を格安の料金プランで利用することができるので、最近利用者が急激に増えています。
代表的な格安葬儀社だと「小さなお葬式・よりそうのお葬式・イオンのお葬式」の3社が有名です。
それぞれの特徴を簡単に説明すると、1番利用者が多いのが「小さなお葬式」、価格が最も安いのが「よりそうのお葬式」、高いけど若干プラン内容が良いのが「イオンのお葬式」になります。
格安葬儀社については「家族葬を安くする方法」で紹介しています。他にも葬儀費用を抑えるポイントを細かく説明しているので参考にしてみてください↓
まとめ
家族葬でも料金が高くなってしまうという事をお伝えしました。
説明したポイントをまとめると
ポイント1:お通夜と告別式がある家族葬だと80万~150万くらいが相場で、香典を辞退すると一般葬よりも高くなってしまう場合がある。
ポイント2:家族葬の費用を抑えるなら「一日葬」や「直葬」などの簡素な葬儀を検討する。一日葬の相場が40万~100万、直葬だと20万~40万が相場。
ポイント3:お通夜や告別式がある一般的な家族葬の費用を安く抑えるなら「複数の葬儀社を比較」したり「格安葬儀社の利用」を検討すること。
家族葬の費用を抑える方法については「家族葬を安くする方法」で詳しく説明しているので、参考にしてみてください。